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![]() 赤十字医療施設看護部長会 会長 武蔵野赤十字病院 副院長・看護部長 高校生の頃は、教員だとか、婦人警官だとか、いろいろな職業に興味がありました。看護師、教員、婦人警官。一見バラバラのようだけども、一貫しているのは「女性として自立できる職業」であることです。私の場合、ナースだから人の役に立ちたいと思うのは性ですが、初めから「人の役に立ちたい、立ちたい!」と思ってナースを志したわけではなくて、「手に職を付けたい」という気持ちの方が強かったんです。時々、「男っぽい」と言われることがありますが、確かに考え方が男性的なんでしょうね。自分ではそんなつもりはなくて、十分「女らしい」と思っているのですが。(笑) そんな私がナースを選んだのは、姉が看護師だったことと、今思えば幼い頃の記憶も影響していたのかもしれません。戦後間もなく父は結核になり、大学病院で命を救われました。そこで看護をしてくださったナースの皆さんが自宅に遊びに来たことがあります。私はまだ小学校に上がる前でしたが、子供心に「お父さんを救ってくれた。なんて素晴らしい人たちなんだ。」と思ったことをはっきりと覚えています。「私もそんな風になりたい」という気持ちはその後しばらく消えていたのですが、心のどこかにずっと残っていて、無意識のうちに影響されていたんでしょうね。 ![]() 戦いの中から生まれてきた赤十字には非常に大きな原則があって、一番は人道、「いつ、如何なる状況の中でもその人を尊重すること」でした。学生の頃はそれが窮屈で、随分反発もしたし、「赤十字と一般の看護はどう違うか」なんて医師たちと議論したりもしました。いつも答えは出ませんでしたけど。30年、40年と赤十字に関わってきてわかったのは、赤十字の理念は難しいけど、非常に高い理想がある。だから追い求めるんだ、ということです。 私の中で、決定的に赤十字への思いが変わり始めたのは1970年代のベトナム戦争からです。戦いの中で医療を行うのが赤十字。その当時、戦争に加担したとか、いろいろ言われても、私自身は赤十字について何もわかっていなかったんです。私が30歳になったばかりの頃でした。改めて赤十字について勉強してみて、そういうことを乗り越えたうえで一人ひとりを尊重する、つまり「いつ、如何なる状況の中でもその人を尊重すること」という赤十字の理念を、私達は医療を通して実践しているんだと教えられたんです。 看護教育の中で教えていただいた教授陣や看護師長、ドクターたちと関わっていくうちに、「赤十字の病院で働くこと」が私の人生の中で大きな意味を持つようになりました。そう思えるようになるまでには、大分時間がかかりましたけどね。(笑) 基本的には、赤十字を希望して、自分のやりたいことを自分の言葉で伝える、表現することができる人はもう大歓迎ですね。理想と現実は違うかもしれないし、「違うな」と感じている人も実際にいるのでしょうが、いざ現実に飛び込んだとき、「チャレンジしていきたい!」と思えることが大切です。私はいつも「意欲のある方歓迎」なんて書いていますけど、月並みですがやっぱりそれに尽きるんですよね。 私がずっとこだわっているのは、患者さんもそうですが、職員の持っている力を最大限引き出していくことです。意欲があり、チャレンジ精神があり・・・。相対的にそんな人は少ないんじゃないかって思われるかもしれないけど、そうではなくて、皆さん自己表現が出来ていないだけじゃないかな。でも、実は個々に「自分」というものを持っていて、内在しているものなんです。あくまでもその力を引き出すのは自分自身。我々管理者が支援体制を作り、周りの職員も自己表現できる環境を整えることで、少しでもその手助けになれば良いと思っています。 ![]() 仕事は一人では出来ません。
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